2010年06月16日

<普天間>日米声明踏襲 首相、沖縄知事と初会談(毎日新聞)

 菅直人首相は15日午前、首相官邸で沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事と就任以来初めて会談した。首相は、鳩山前政権が米国と合意した、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古周辺に移設するとの日米共同声明を踏襲する考えを表明。仲井真知事は「声明は遺憾で、なかなか実現が難しい。極めて厳しい」と述べ、地元の合意取り付けは困難との認識を伝えた。

 会談は首相側からの要請で、約30分間行われた。

 仲井真知事は「民主党は『少なくとも県外』と(昨夏の衆院)選挙やその後も言ってきたが、共同声明で『辺野古』の方向が出て県民の期待が失望にものすごく変わってしまった」と沖縄県内の現状を説明した。首相は「(沖縄の)負担軽減については政府として誠心誠意、努力したい」と述べた。

 会談終了後の閣僚懇談会で、首相は普天間問題について「官房長官を中心に内閣一体で取り組んでいきたい」と改めて表明した。古川元久官房副長官は同日午前の記者会見で、首相が23日に沖縄県主催の沖縄全戦没者追悼式に出席することを踏まえ「まずそこから、首相はじめ内閣として沖縄の皆さんと一緒に負担軽減について努力したい」と述べた。

 一方、仲井真知事は会談終了後、記者団に「まだどういう道筋でまとめようとされるのかよく分からない」と述べ、新政権の出方を見極める考えを示した。【横田愛】

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2010年06月11日

ハイエース盗の輸出手助け、貿易代行業者も再逮捕 兵庫県警(産経新聞)

 外国人らの窃盗団がトヨタの「ハイエース」を狙い、解体して海外に輸出していた事件で、窃盗団から依頼された輸出手続きを引き受けたとして、兵庫県警が窃盗幇助(ほうじょ)容疑で、貿易代行会社「三信貿易運輸」(大阪市)社長、藤原浩士容疑者(58)ら2人を再逮捕していたことが7日、捜査関係者への取材でわかった。

 再逮捕容疑は、昨年6月15日ごろ、窃盗団のメンバーでナイジェリア国籍のオカフォ・ジェラード・サニー被告(40)=窃盗罪などで公判中=らがハイエースを盗んで海外へ輸出すると知りながら、コンテナ手配など輸出代行を承諾し、窃盗を助けたとしている。

 県警は5月17日、三信貿易運輸の事務所などを窃盗幇助容疑で捜索、押収資料を分析するなどして調べていた。

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2010年06月07日

遺跡の発掘品はどこで展示すべき?――時代と空間のジグソーパズル(Business Media 誠)

ちきりんの“社会派”で行こう!:ピラミッドからパルテノン神殿まで、世界各地に点在している歴史的な遺跡。しかし、ちきりんさんは「遺跡がある場所と、遺跡からの発掘品が展示されている場所が異なっていることがある」と主張、その是非を論じます。

【拡大画像や他の画像】

 ちきりんは大の旅行好きなのですが、古代遺跡を巡る旅の際、いつも頭をよぎることがあります。それは「もしもここにすべてが揃っていたら、どんなにすばらしいだろう」ということです。

 ご存じのように大英博物館には、エジプトの遺跡から出た多くの発掘品や、ギリシャのパルテノン神殿のすばらしいレリーフが展示されています。パリのルーブル美術館はモナリザなどの絵で有名ですが、イスラム世界や古代オリエント時代のコレクションも圧巻です。ドイツの博物館でも、中近東やイスラムの遺産を観賞できます。

 一方、ギリシャに行けばパンテオン宮殿の骨格は残っていますが、最もすばらしいレリーフはイギリスに行かないと見られません。教科書に必ず登場するロゼッタ・ストーンも、エジプトにはレプリカしかなく、本物は大英博物館にあります。

 ちきりんは欧米の大きな博物館も大半は訪れたことがあるので、ギリシャやエジプトの遺跡では、過去にロンドンやパリで見たすばらしい発掘品やレリーフを思い浮かべ、頭の中で合成した図を想像しながら当時の様子に思いをはせます。時間と空間を越えてバラバラにされたジグソーパズルを頭の中で組み立てるような作業をしながら楽しむのです。

 そんな時いつも考えるのは、「すべてがオリジナルの場所に揃っていたら、どんなにすばらしいだろう」「でも、本当にそれが一番いいんだろうか?」ということです。

 例えば、博物館の収蔵品を持ち帰った当時の欧米諸国は、経済力や軍事力において圧倒的でした。大半の遺跡は欧米の調査団が最初に発見しており、彼らはそれらの多くを無料かつ無断で祖国に持ち帰っています。「いや、合法的に購入したはずだ」と主張する場合でも、実際には遺跡が発見された土地の所有者であった農民に10ドルほどを渡して、発掘品を“正式に”購入したようなパターンも多いのです。

 中国はこれを非常に問題視していて、中国の遺跡に行くと説明パネルで「いかに欧米の人たちが中国の財宝を勝手に持ち帰ったか」が説明されています。敦煌の莫高窟では「欧米人が壁の絵をはがして持って帰った」という話のほかにも、「ロシアの軍隊が莫高窟を宿舎に使い、その中で煮炊きをして多くの壁画がすすにまみれ剥落した」といった記載もあります。

 そういうことを、莫高窟を訪れた自国民、そして他国の観光客に積極的に知らせようとする中国の姿勢には興味深いものがあります。実は日本の浮世絵も海外の美術館にすばらしいコレクションがありますが、ああいったものが海外に流出した経緯を聞くことは日本ではほとんどありませんよね。

●欧米の調査隊が持ち帰っていなかったら?

 ところで、もし欧米の調査隊が自国に持ち帰っていなかったら、それらの発掘品はどうなっていたでしょうか?

 欧米の博物館は発掘品や財宝を保存するため、最先端の技術を適用しようと多額の費用をかけていますし、修復や調査にも膨大な手間をかけています。彼らの調査によって、新たに分かった古代の事実も多いのです。また、多くの国ではそれらの財宝を無料もしくは非常に安い入場料で誰でも鑑賞できるようにしています。

 一方、古代遺跡がもともとある国の多くは、少なくとも今までは自国の遺跡保護のために多額の資金を投入することは不可能だったでしょう。風雨にさらされて毀損してしまうかもしれないし、盗掘や盗難も日常茶飯事です。

 ちきりんがエジプトの遺跡を訪ねた時、壁画の色あせを防ぐためにフラッシュの使用が禁止されている遺跡内で、「10ドルを払えば、フラッシュで写真撮り放題にしてあげるよ」と持ちかけてくるガイドに何人も会いました。アフガニスタンではタリバンがバーミヤンの石仏を破壊してしまいましたが、宗教的な対立が続くエリアでは何千年も前の貴重な歴史の残存物さえぞんざいに扱われています。

 ある意味では「欧米諸国の調査団が大規模に持ち帰ったからこそ、ベストな状態で今まで保存されてきた」とも言えるのです。

●北京と台北、2つの“故宮”

 もちろん、「現地で毀損するなら、それもまた歴史のひとコマと考えるべき」という意見もあります。古くから文明が栄えた地では、多くの遺跡が“多層”になっており、「一番外側の石をはがしたら、別の時代の遺跡が出てきた」という例はよくあります。「新しい文明が興ると、古い文明の遺産が塗りつぶされる。それこそが歴史だ」という考え方もあるでしょう。

 この意味で興味深いのが、北京(中国)の故宮(紫禁城)と、台北(台湾)の故宮博物院です。蒋介石が台湾に移る時、故宮の財物のうち価値あるものの大半を運び出しました。そのため、財物、特に小さいモノに関しては、「一流のものほど、北京ではなく台北にある」と言われます。

 一方、北京の故宮には中身は何もありません。なにもありませんが、あの建物、あの広さ、あの場の持つ雰囲気は、いくら台湾がお金をかけて故宮博物院を整備しても、決して真似できない力を持っています。

 台北の故宮博物院に行くと、「これらの作品があの北京の故宮にあったら、どんなにすばらしいか」と思います。お手本となるのがイスタンブール(トルコ)のドルマバフチェ宮殿です。ここでは巨大な宮殿建築の中に、ソファやテーブルなどの家具、食器などの日用品、アクセサリーなどの宝石、装飾品までがきれいに揃っており、往時のオスマン帝国の力と生活様式をとても具体的にビビッドに思い描くことが可能です。故宮に関しても建物と中身を1カ所に合わせれば、驚嘆すべき過去の世界が再現できるでしょう。

 ただ、器である建物が北京に、中身の財宝が台北に存在していることこそが、中国の歴史を象徴しているとも言えます。最近は共同展示会の試みなどもあるようですが、それらが同じ場所で展示されることがあるとすれば、それは“歴史”自体がそう動いたタイミングと重なることになるでしょう。

●奈良の大仏が大英博物館に展示されていたら……?

 ちきりんは、中国と台湾を行き来しながら、それらが故宮にあった時代を想像するのが大好きです。ペルガモン博物館(ドイツ)のイシュタール門と古都バビロンの風を、大英博物館の展示とエジプトの砂漠を、ピカソ美術館(パリ)の一室とバルセロナの太陽を組み合わせ、時間と空間を使ったジグソーパズルを1つずつはめていくことに心を奪われます。

 実は最近、エジプトや中国などを中心に、流出した自国の古代文明の至宝について、返還要求をする動きも出てきています。

 みなさんは奈良の大仏がずっと昔に外国に売られていて大英博物館に展示してあったら、「返してほしい」と言いますか? 金閣寺は1950年に放火されて消失していますが、もしもその前に米国が解体してニューヨークに運んでいて、メトロポリタン美術館で今でも本物が見られたとしたら、ありがたいと思いますか?

 簡単に解決する問題ではありませんが、これからは多くの国の人たちが「歴史の遺物はどこに存在するべきか」という問いについて、考えなくてはならなくなるでしょう。

 ではまた来週。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2006年5月25日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。

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